福岡正信自然農園
2024.06.05
「できる限り自然の生きる力に寄り添う」を軸に、世界からも注目を浴びる福岡正信氏の自然農法。「福岡正信自然農園」で学びたいと、日本国内のみならず海外からも多くの人が訪れます。にこやかな笑顔で案内してくれるのは、3代目園主の福岡大樹さんです。
福岡正信自然農園の栽培作物の7割は柑橘で、ハッピー(福)ヒル(岡)と呼ばれるオリジナル品種のお米や野菜も栽培しています。
福岡正信自然農園の直売所から15分程車に乗り、山の頂上に到着すると、道に沿って甘夏や伊予柑、ネーブルオレンジなどの木が並んでいます。柑橘の木の周りに大根が自生していたり、イノシシが食べ残した柑橘が転がっていたり、、、多様な動植物が共存した農園です。
祖父の哲学
祖父の正信氏は、無の哲学を立証するために自然農法に取り組んできました。
また、正信氏は、世界各国を来訪し、自ら考案した「粘土団子」で砂漠緑化に取組んだ人物としても有名です。粘土団子を置いておくと、その場所や気候に合った種が自分のタイミングで発芽するそう。(粘土団子…乾燥した泥団子の中に植物の種が入っている)
しかし、生きていくために百姓の道に入った正信氏の自然農法では、家族を養うことも難しく、苦しい家計だったそうです。
農法、伝えたい思い
一方で、大樹さんはより自然に近い農法を取り入れながらも百姓としての生活を大切にしています。自然農法は、農薬・化学肥料の不使用を基本とする栽培方法との考えもありますが、大樹さんは、土の状況に合わせて有機肥料も使用し、土力を補い収穫量も確保します。栽培のルールを決めず、その時々で自然を見ながら栽培方法を選択するのです。
大樹さんは、「伊予市が自然に囲まれ、住みやすい場所になれば。そして広がって欲しい。」そんな思いから人材育成にも力を入れています。取材時は4名の研修生を受け入れていましたが、短期を含めると年間10人程度の研修生が来られています。少しずつですが、福岡正信自然農園を理解し、ともに活動する人が増えているようです。
今もなお続く実験
最後に、正信氏が研究場にしていて、手をつけない形で大樹さんが守っている山に案内していただきました。人の手によってつくられた森、手付かずの森、何とも表現できない雰囲気が漂います。
最終的に作物を完全自立させることが目標で、その変化をスタッフと一緒に見るのを楽しみに今日も自然と向き合います。
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取材:MRN