犬寄峠に春を呼ぶ、つるし雛
2024.05.15
犬寄峠の奥にひっそりと佇む一軒家「Reぽっち工房」。
一歩足を踏み入れると、そこは、まるで別世界のよう!一つひとつ丹念に作られた、たくさんのつくり物やつるし雛がところせましと飾られ、わずかな照明が作品を照らす様は、何とも言えず不思議でワクワクする空間です。黄色い丘と合わせて、春には足を運びたくなる素敵な場所です。
峠の手遊人(てすさびと)
そんな素敵な空間を創り出しているのが、峠の手遊人こと、髙市 禮子さんです。
45年ほど、東京で暮らしていた髙市さんは、ご主人の退職を機に、ふるさとの佐礼谷へU ターンしました。
つるし雛展をはじめたきっかけは、集落の婦人会で、福岡県柳川市の伝統ひなまつり「柳川さげもん」を見学しに行ったことです。
好奇心旺盛で楽しいことが大好きな髙市さんは、佐礼谷でも、この素晴らしい「さげもん」ができないかと考え、地元の有志で手芸サークルを作りました。
それが、「さげもん倶楽部」と子年生まれのメンバーが集まった「マウス倶楽部」です!
週1回集まって、お互いに手芸を教えたり教えられたり、楽しく活動をしています。
みなさんがコツコツ作った作品は、今や一軒家と離れを埋め尽くすまでとなり、見学に来られる方々を、圧巻させ、さげもんの世界に引き込みます。
楽しくて元気な地域になってほしい一心で。
「ここで生まれ育って、東京に出たけれど、やっぱりふるさとが一番素晴らしい。」
Uターンされた髙市さんは、佐礼谷の素晴らしさを語ります。
「佐礼谷は地域の方が一致団結しているの。今や何万人もの人が訪れるようになった「黄色い丘」や佐礼谷の名物であるホタル、佐礼谷産にこだわった加工品を作る「イエローキッチン」。限界集落といわれていますが、それぞれの人が地域を想い、そして何より楽しみながら活動をしているんです。年をとっても、みんなが助け合い、笑顔でいられることが、それを物語っているでしょう?」
髙市さんは、おちゃめにウインクをしてくれました。
人々を惹き付ける、髙市さんの魅力。
「私は人に喜んでもらうことが何より大好き。ゼリーや焼菓子でおせったいするのも、たくさんの人とお話しをするのも元気の源なの。」
感性が優れ、手先が器用な髙市さん。
好奇心が強く、東京でもたくさんの人にいろいろな事を学びました。刺繍やみのむし細工、戸塚刺繍、刺し子などなど、習得したことをふるさとのみんなに伝え、一緒に楽しみながら、豊かな生活を送っています。
伊予市のブランド認定品である、「されだにゆずこしょう」も実は髙市さんの考案なのです!
髙市さんの周りには、常に人が集まり、今日もまた笑顔の輪が広がります。
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取材:YUKA
PROFILE
氏名 髙市 禮子
所属 さげもん倶楽部・マウス倶楽部
場所 Reぽっち工房(伊予市佐礼谷丙1236-2)
つるし雛展 毎年3月末の土日に開催