NO CURRY NO LIFE
2024.04.17
「いらっしゃいませ!」と明るい声で迎えてくれるのが、このカレー屋さんのマスターの桑原さんだ。辛さは控えめだがスパイスの調合など試行錯誤を重ねて辿り着いた、自慢の本格的欧風カレー。
2018年9月の開店以来、地域の皆さまに愛されてこの地に根付き、お昼時の店内はお客様でいっぱいとなり、その日の仕込み分がなくなることは珍しくない。なぜもっと多めに作らないのかと尋ねたことがあるが、その答えに桑原さんの実直な性格がよく表れていた。
「朝から一人で仕込んでお客様に自信を持って提供できる味を出せるのは、このズンドウ1杯分なんですよ。売り切れで食べられないお客様には申し訳ないと思いますが、これが僕の体力の限界なので(笑)。」
定休日でも桑原さんは店で仕込み作業に余念がない。開店以来5年以上経った今でも、ずっと変わらない「カレーと真剣に向き合っている姿」に凛とした意志の強さが宿っている。
大好きなカレーと伊予市へ
移住前のサラリーマン時代は、全国を飛び回っていたが、40歳を過ぎて移住を考え始めた。
東京の大手町本社から松山に転勤となったことが契機だった。松山での暮らしは瀬戸内の穏やかな海、緑の山並み、そこからの豊かな食べ物に大満足で、東京では感じることのなかった「暮らしの充実感」を初めて味わった。しかし、2年弱で本社に戻され、満員電車での通勤生活がまた始まり、日に日に愛媛への思いは募るばかり。
そして、サラリーマン時代から大好きだったカレーの店を伊予市でやる事に決めた。2年越しで誘ってくれた伊予市の移住コンシェルジュの方々と、松山より自然を身近に感じる伊予市というこの土地が決め手だった。
つながりあう暮らし
桑原さんの人柄と、前職の営業で培ったお客様との絶妙な距離感、人を引き合わせるチカラなどが心地よい空間を作り出す・・・カレー屋さんでありながら、居心地の良い休憩所のようだ。いつしか「町家バル桑原」は、多種多様なバックグラウンドを持った方々が交流できる、伊予市の文化サロンのような場所となった。
一般のお客様や農家さんはもちろんのこと、フラダンスの先生・写真家・能楽師・タイル画家・・・など多士済々な常連さん達。多彩なお客様同士が意気投合し、合同演奏会や、絵画や写真などの合同企画展に発展するなど、伊予市の文化に彩を添えてくれている。
さらに桑原さんには別の顔もある。旅行者や移住希望者がカレーを食べに来店すると、
「どちらからいらっしゃいましたか?どういった目的で?」
旅行目的なら近隣のおすすめスポットを紹介し、移住希望者であれば希望する住居の種類やイメージ、職業などについて会話を進めていく。移住先が伊予市の場合は「賃貸マンションでも良ければ〇〇という物件がお勧めですよ。実は私も移住者で、ここは他にも移住世帯が多く、困ったことがあっても相談できるから安心ですよ。」
巧みに伊予市移住へと誘導していく。まるで、伊予市移住コンシェルジュのようだ。「誰に頼まれたわけでもなく、自然にお勧めしちゃうんです。伊予市を少しでも気に入ってもらえて、移住してくれたら嬉しいじゃないですか(笑)」
ここでの会話がきっかけとなり伊予市に移住されたご家族が何組もいます。
一度きりの美味しい出会い
最後に、再びカレーの話題。
毎日の仕込みで使う野菜や果物は、その日に地元で仕入れたもので、レシピは明かせないが、皆さんが思うより遥かに大量の「ある果物と野菜」を消費する。季節によって産地も変わり素材の味も変わる。これがルーの味に反映し、日々進化する味になるのだ。ひょっとしたら、常連さんも飽きさせないための深慮遠謀なのかもしれない。注意深く味わえば「あれ、この前に食べた時と違う美味しさだ」と感じられる・・・はずだ(笑)
是非、この「一期一会」の味をご賞味ください!
取材:MASA
えひめの愛顔発信 #ひめ推しで放送された取材の映像もご覧ください。
この記事がいいと思ったら「いーよ♡」・シェアをよろしくお願いします。
PROFILE
桑原 重雄(くわばら しげお)マスター 群馬県前橋市出身
町家バル桑原
愛媛県伊予市米湊827-4(手作り交流広場町家内)
営業時間:11:00~売り切れ次第終了
定休日:毎週月・金曜日
移住に関する相談
「いよりん」では、本市の暮らしの情報を集約し、相談者にワンストップで提供しています。
移住を検討されている方や少しでも興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください。
愛媛県伊予市移住サポートセンター「いよりん」
〒799-3114 愛媛県伊予市灘町123
まちの縁側『ミュゼ灘屋』内
JR伊予市駅・伊予鉄郡中港駅より徒歩3分
サポートする地域団体のご紹介
-
伊予市中山町 佐礼谷地区
昭和の風景が残る山間集落
松山市(県庁所在地)や空港からのアクセスがよい当地区は、田園風景や古い農業倉庫など懐かしい風景が残る集落。中山栗や佐礼谷ゆずこしょうなど特産品も多く、就農目的やIターンのファミリーや、定年退職者などが移住しています。移住体験施設の開設も計画中です。
-
伊予市 郡中地区
歩いて暮らせる郡中まち暮らし
生活施設が集中し車がなくても安心して暮らせる中心市街地でありながら、海・山・里の新鮮な食材と豊かな自然環境が揃っています。市の第3セクターである「まちづくり郡中」では、移住を希望される方に、まち案内や住宅見学などを行っています。
-
伊予市双海町 双海地区
愛媛県内最古の木造校舎で学ぶ
瀬戸内海と豊かな里山が背中合わせになり、傾斜地を利用して柑橘をはじめ多くの果実が生産されている地域です。まちづくり学校 双海人(ふたみんちゅ)では、児童数の減少に危機感を抱き「学校を守れ」を合言葉に移住の受け入れを行っています。