ミツバチが運ぶ冬の特別な味~びわ蜜~
2025.01.15
自然の恵み
蜂蜜は、ミツバチが花の蜜を集め、巣房に蓄えて熟成させた自然の恵みです。花の種類や地域によって、その香りや色、味が異なるのが特徴。例えば、レンゲ蜂蜜やあかしあ蜂蜜、みかん蜂蜜など、いずれも独特の魅力を持っていますが、今回紹介するのは、伊予市の唐川地域で採れる「びわ蜜」です。
伊予市唐川の冬の風物詩
伊予市のびわ畑では、毎年11月から1月にかけて、白いびわの花が一斉に開花します。この時期、びわ畑に置かれた巣箱からは、たくさんのミツバチが飛び立ち、花蜜を集めてきます。
白いびわの花は、はっきりとした強い香りがし、そんなびわの花から採れた蜂蜜はそのままな芳醇な香りが移り、杏仁のような上品な味わいを楽しむことができます。
しかし、この時期に蜂蜜を採ることは難しく、冬の養蜂は特に高いリスクを伴います。
蜜を集めるために飛び立ったミツバチの中には、巣に戻れないミツバチも多くいると言われています。こうした厳しい環境下でも、高い品質を維持し続けるためには、細心の注意と知識が欠かせません。
また、養蜂業は、天候に大きく左右されますが、自然に対し、臨機応変に対応することが求められる職業です。
この貴重なびわ蜜を作っているのは、「藤田養蜂場の吾野 真史」さん。
料理を彩るびわ蜜
2001年、サラリーマンから養蜂家に転身した吾野さんは、義父から受け継いだ技術・ノウハウを活かし、品質を優先した「びわ蜜」を作り続けています。量より質にこだわり、透き通った色合いの蜂蜜を生み出す技術は、日々進化を遂げているそう。
吾野さんは「大切なミツバチたちが集めてくれた蜜を分けてもらうんやけん、本物の蜂蜜を味わってもらいたい」との思いから、100%花の蜜だけの香りと純度の高さにこだわった蜂蜜作りをしています。びわ蜜は、その芳醇な香りとまろやかな味わいが特徴ですが、実は料理に合う食材です。例えば、びわ蜜をスイーツに使うと甘さとともにフルーティーな香りが料理を引き立てます。令和4年に参加した商談会をきっかけに、東京のお店でも採用され、びわ蜜の人気が広がりを見せています。
美味しさを追い求めて
インタビュー中、吾野さんは「もっと頑張らないかんなぁ」と語り、自分自身を奮い立たせ、前向きなエネルギーを感じさせてくれました。今後も吾野さんとミツバチたちは二人三脚で美味しい蜂蜜を作り続けることでしょう。
取材:MRN
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PROFILE
「吾野 真史さん」
1966年、愛媛県生まれ。義父の代から40年近く続く養蜂業を受け継いで養蜂家となる。愛媛県養蜂協会の会長も務めており、地域の養蜂業の維持発展にも力を注いでいる。
伊予市内では、ファーマーズマーケットいよっこらや手づくり交流市場町家で手にすることができる希少なびわ蜜。見つけたらラッキー!
(びわ蜜のおすすめの食べ方)
シンプルにパンやヨーグルトと食べるのがおすすめ。