地域貢献で、定年後の楽しみは加速する
2024.12.12
PROFILE
黒田 廣さん(くろだ ひろしさん)
伊予市出身。つたや旅館オーナー。愛媛大学を卒業後、技術職としてメーカーに勤務し定年退職後に伊予市にUターン。実家の近くにあった「つたや旅館」をひょんな縁から前の所有者から引き継ぎ、旅館経営を行うことに。空き倉庫を利用したイベントの開催など伊予市の郡中エリアの活性化に向けて精力的に活動をしている。
昭和初期に造船・海運業で財をなした故・森寅蔵氏の邸宅を利用した「つたや旅館」。このつたや旅館を前オーナーから引き継いだのが黒田さんです。大学生までは、伊予市で過ごし、その後60歳で定年をするまでは、東京・大阪で仕事をして暮らしていました。「定年後、こんなに充実した毎日が待っているとは思わなかった」と話す黒田さんにつたや旅館の魅力についてお聞きしました。
この魅力的な建物を守っていきたい
昭和初期の優雅な佇まいが魅力的な「つたや旅館」。黒田さんが伊予市に戻ってきた頃、つたや旅館の前オーナーが体調を崩してしまったことで、旅館の継承について県外に住む親戚たちは頭を悩ませていました。「実家の敷地をつたや旅館の駐車場として貸していた縁でつたや旅館を初めて訪れました。建物に魅了され、ここが後継者がいないという理由で取り壊されてしまうのはもったいないと思い、引き継ぐ覚悟を決めました」と黒田さん。その後、つたや旅館を買取り、それまでサラリーマンだった黒田さんの旅館運営の日々がスタートします。
しかし、旅館を運営しはじめて半年後に世界がコロナ禍に突入。「この時は本当に苦渋を舐めましたが今思えばよかったんです。少ないお客様に向けて素人の私が焦らずにおもてなしができたので」と話します。
滞在することで文化を感じられる空間
細かな箇所に意匠が施されたつたや旅館に、日々愛おしさが募る黒田さん。「長くいるほどにこの建物が持つ文化的な側面が理解でき、心が豊かに感じるようになりました。また、次の50年、100年とこのつたや旅館を文化財として引き継いでいきたいと思っています。そのためにも後継者を探すことも考えないといけないですね」。
「何十年も離れて暮らしていたのに、やっぱり故郷は良いです」と黒田さんは言います。今後は、旅館だけではなく、郡中エリア全体を盛り上げていきたいという意欲も。その第一弾として、2021年から空き倉庫を利用した室内サバゲー場を開設。「定年後の人生がこんなに豊かになるとは想像していませんでした。こんなきっかけをくれたつたや旅館には感謝しかないですね。地域全体を居心地が良く楽しい場所になるよう盛り上げていきます!」とお話してくださいました。
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つたや旅館
住 所:愛媛県伊予市灘町110
電 話: 089-909-6123
料 金:【書院の間】1泊5,000円/1人(素泊まり)、食事つき8,000円/1人
【数寄屋の間】1泊5,000円/1人(素泊まり)、食事つき8,000円/1人
【ドミトリー】1泊4,000円/1人(素泊まりのみ)
営業時間:チェックイン 16:00~22:00 / チェックアウト 10:00
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愛媛県伊予市移住サポートセンター「いよりん」
〒799-3114 愛媛県伊予市灘町123
まちの縁側『ミュゼ灘屋』内
JR伊予市駅・伊予鉄郡中港駅より徒歩3分
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生活施設が集中し車がなくても安心して暮らせる中心市街地でありながら、海・山・里の新鮮な食材と豊かな自然環境が揃っています。市の第3セクターである「まちづくり郡中」では、移住を希望される方に、まち案内や住宅見学などを行っています。
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