「とりあえずやってみよう」の先にあった光景
2024.07.17
自宅のまわりで小2の娘が近所の友達と暗くなるまで走りまわっている。
「私が子供のころと同じ光景だ」
親が一緒にいて見守っていなくても、はしゃぐ声を台所で聞いているだけで安心できる環境がここにはある。
数年前に伊予市内の中心部から転居して、町中を少し離れた田舎暮らしが実現できて笑顔がはじける山内ひろみさん。
母親、イラストレーター、たまにミュージシャンなど精力的に活躍している。
いいかも!伊予市暮らし
2015年、結婚を機に高知県から伊予市に移住し、最初からここは自分に合ってると感じたそうだ。
初めての土地に移住する不安はなかったのだろうか。
「高知の気質や人は好きなんだけど30年以上住んだから、そろそろ違う所に行ってみたいなと。結婚相手が愛媛の人で県外に行けると喜んで。実際来てみたら『ああ、自分の居場所はここだ』とピンときたの」
もちろん来たばかりで知り合いは誰もいないから移住直後の目標は『伊予市生まれの旦那より有名になる』だった。
賃貸のアパート暮らしからのスタートだったが、近所の皆さんとの付き合いなど知り合いの輪が自然に広がり2~3年で旦那さんより有名になった。その証拠に旦那は『ひろみさんの旦那さんよね』と声をかけられるという。目標はクリアした。さらに現在の家に引っ越してからは一層濃い近所付き合いになった。
「まあご近所さんがいい人ばかりで。伊予市は不思議な場所で、偶然の出会いが重なっていって、いつのまにか自分に必要な人と繋がってるんです。」
「たまには高知に帰るし、昔の行きつけのお店で好きだった料理を食べたりするし、ギター兼ボーカルでバンドやってたから、昔のバンド仲間と馴染みのライブハウスで演奏することもあった。でも、もうすっかり伊予市の環境に慣れてしまって、高知の繁華街がうるさく感じ、静かで穏やかなわが家が一番(笑)。」
幅広い活躍
山内さんは2018年から“いよりん移住定住コンシェルジュ”として「山内ひろみの移住ブログ」の配信を続けている。伊予市の魅力を多くの人に知ってもらいたいと、移住者としての日常をマンガで定期的に発信。自然豊かで利便性も高い伊予市の暮らしやすさを県内外へアピールしている。6年も描き続けられるアイデアやマンガの題材はどこから来るのだろうか。
「今でも移住者目線で、高知とは違うなと感じることも多いから描いているし、愛媛県人として思うこともたくさん描く。悩んでいる自分に対して『おーおー、落ち込んどるわ。それ位のことで落ち込むんや。面白いわあ』という感じで客観視できるようになってから、いろんな目線で物事を見て作品のアイデアが浮かぶようになったのかもしれない。最近は娘の成長に伴って、学校での出来事や行事がネタになる。運動会でも私たちの頃はマンモス校だったから父兄が多すぎて子どもが見える場所取りが大変だったのに、伊予小学校は余裕で観覧できるし、リレーが地区対抗だったり驚くことばかり。こんな感じだからネタには困らない(笑)」
情報発信だけでなく移住者、移住希望者と交流する機会も多い山内さん。会話を通して伊予市愛が一層強くなり自信を深めている。
「自分が移住してきた頃の不安感とか感じ方は、移住者・希望者に共通してるんだなという思いが強くなった。だから相談の時に不安を和らげるようなお話ができる。都会を離れてゆっくり田舎に暮らしたい、でも凄い田舎ではない…という”中間的”な環境を望む人には伊予市がぴったり。中心部の町中もあるし海が好きなら双海があるし山がいいなら中山が。そして、松山が近いから通勤圏内でもあるし。JRと私鉄の両方が通っていて、都会の松山も近いなんて場所はなかなかないと思う。高知にもベッドタウン的な地区もあったけど、公共交通機関がなく不便だった。伊予市は都会と田舎の中間点だというのが最大の特色で住むには最高。子育てをゆっくりしたい年代からの人たちには、すごくいい場所だと思う。」
家庭の主婦、母親、イラストレーター、移住コンシェルジュ、最近ハマってる観葉植物と家庭菜園、学童保育のお仕事まで…山内さんのマルチな活動には驚くばかりだ。
吹っ切れた瞬間
「私ね、24歳くらいまで人嫌いで外に出て行くのもイヤやったんよ。ところが、生きるか死ぬかの大病を患い医者から『あと3分遅かったら死んどったね』と。その時に『あたしはこのままで死んではならん。どうせ一度きりの人生やし自分の人生やし、やりたいことをやらんといかん。興味もったことは、その日だけでも1時間でもいいから、とにかく手を出そう』と。そんな感じで、やっては放りやっては放りで、家の中がそんなモノらでいっぱいなんよ(笑)。やってみないとできるかどうか分らんからとにかくやってみる。失敗してもいいからやる、ダメなら頑張って続けるか諦めるか、その時々で考えればいい。こんな感じで生きてます(笑)。」
欲しいモノリスト
若い頃から欲しいモノをいろいろ書いてきて、それがだいぶ達成できたの。結婚もしたし子どもも持てたし家も建てられたし、…という具合で。今残ってる中で一番やりたいのが結婚前にやってた理容店をここで開くこと。今住んでるあたりは理容店がなくて、あれば便利だと思うし、子どもからお年寄りまでだれでも気軽に立ち寄れる居場所を作れたら嬉しいな。」底抜けに明るい笑顔で語る山内さんはピカピカに輝いている。
取材:М&М’s、REN
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生活施設が集中し車がなくても安心して暮らせる中心市街地でありながら、海・山・里の新鮮な食材と豊かな自然環境が揃っています。市の第3セクターである「まちづくり郡中」では、移住を希望される方に、まち案内や住宅見学などを行っています。
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瀬戸内海と豊かな里山が背中合わせになり、傾斜地を利用して柑橘をはじめ多くの果実が生産されている地域です。まちづくり学校 双海人(ふたみんちゅ)では、児童数の減少に危機感を抱き「学校を守れ」を合言葉に移住の受け入れを行っています。