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「ここでしか味わえない豆腐を」。失敗を重ねてたどり着いた、豆愛のお豆腐づくり

2026.08.07

「ここでしか味わえない豆腐を」。失敗を重ねてたどり着いた、豆愛のお豆腐づくり

「ますます、いよし。ブランド」に認定されている、豆愛の「ぶっかけおぼろ豆腐」。今の味になるまでには、幾度もの試行錯誤がありました。おいしさを追い求めてたどり着いた「ぶっかけおぼろ豆腐」は、人気商品に育った矢先、まさかの出荷停止に。そこから、充填方式による豆腐づくりという挑戦が始まりました。今では県内のスーパーの店頭にも並び、多くの人に親しまれています。令和4年、新工場の設立とともに、夫婦で新しい味と店の形をつくり続けています。

自分たちの味を求めた試行錯誤の日々

豆腐づくりに携わる中で、「どうせ作るなら、おいしいものを作りたい」という思いが強くなっていったという、株式会社豆愛 代表取締役の古家さん。数ある豆腐の中から選んでもらうためには、「ほかにはない、自分たちらしい味」が必要だという考えに至ったと言います。

目指したのは、ひと口食べた瞬間に豆の風味が広がる、とろりとなめらかな「おぼろ豆腐」。しかし、豆乳を濃くすれば、そのままおいしい豆腐になるわけではありません。豆乳の濃度やにがりの量を少し変えるだけで、固まりすぎたり、反対に形にならなかったり。気温や水温、大豆の状態によっても、日々仕上がりは変わります。

「もう少しなめらかに」「もっと豆の風味を感じられるように」。何度も作っては味や食感を確かめ、そのたびに配合や製法を見直したといいます。そうした試行錯誤を数年にわたって積み重ね、ようやくたどり着いたのが「ぶっかけおぼろ豆腐」でした。

販売休止を乗り越えて再び生まれた「ぶっかけおぼろ豆腐」

こうして生まれた「ぶっかけおぼろ豆腐」は、とろりとした食感と濃い豆の風味が評判となり、やがて豆愛の看板商品へと育っていきました。

一方で、加熱をしないノンボイルの商品だったため、日持ちや低温での保存には難しさがありました。そんな中、ある販売先から商品の状態について連絡が入り、品質を改めて見直すことに。お客様に安心して届けられる状態ではないと判断し、人気商品でありながら、出荷を停止しました。

看板商品が店頭から姿を消した期間は、半年以上。古家さんたちは、以前の「ぶっかけおぼろ豆腐」ならではのなめらかな食感と豆の風味を残しながら、より安定した状態で届けられる商品を目指し、製法を一から見直しました。

新たに取り入れたのは、冷やした豆乳ににがりを加えてパックに注ぎ、密封した後に加熱して固める「充填」という製法です。しかし、機械のふたを開けるまでは、きちんと固まっているか分かりません。固まらなかったり、思い描いた食感にならなかったりするたびに、スタッフみんなで原因を考え、配合や工程を調整しました。

「これは僕一人の力では開発できませんでした。スタッフのみんなの力があったからこそ、完成した商品です」と古家さん。

試行錯誤を重ねて完成したのが、現在の「ぶっかけおぼろ豆腐」です。以前のぶっかけおぼろ豆腐のおいしさを受け継ぎながら、より多くの人へ安定して届けられるようになりました。さらに、第9回全国豆腐品評会 中国・四国地区大会優秀賞を受賞し、高い評価も得られました。また、伊予市の「ますます、いよし。ブランド」認定商品にも選ばれています。

豆腐は、大豆とにがりがあれば、いつでも同じようにできるものではありません。気温や水温、大豆の水分量によって、日々仕上がりが変わるといいます。「決められた量を入れて、機械を動かせばできるわけではありません。おいしいものをつくりたいという気持ちがないと、つくれないと思います」と奥様で専務取締役の郁子さん。

豆腐を、もっと自由に楽しんでほしい

豆愛の直売所には、「ぶっかけおぼろ豆腐」をはじめ、豆乳を使ったソフトクリームやスムージーなど、豆腐店ならではの商品が並びます。「豆腐は、どうしても料理の脇役になりがちです。でも、せっかくおいしい豆腐があるのだから、もっといろいろな形で楽しんでもらいたいと思っています」と郁子さんは続けます。

その思いから、豆腐を使った惣菜づくりにも取り組んできました。土曜日には麻婆豆腐や肉豆腐を、冬にはおでんを販売。おでんは季節が終わっても「まだやっていないんですか」と声をかけられるほど好評だそうです。

豆乳ソフトクリームも、以前から郁子さんが思い描いていた商品でした。設備面からなかなか実現できずにいましたが、「豆愛さんは、豆乳ソフトクリームも出さないんですか?」というお客様の声に背中を押され、2025年より販売をスタート。豆の風味を感じながらもさっぱりとした味わいに仕上げ、1日100個ほど売れる日もある人気商品になっています。さらにスムージーは、豆乳に定番のバナナやいちごなど果物を合わせた一品で、季節限定の味も登場します。

「スーパーに並べるだけでは、どんな方が買ってくださったのか、どんな感想を持ったのかまでは分かりません。ここでは、お客様の声を直接聞けることがうれしいですね」と郁子さん。お客様とのやり取りを大切にしながら、豆愛ではこれからも直売所の楽しみを広げていきます。

豆腐のおいしさを多くの人へ

豆愛では、豆腐のおいしさだけでなく、どのようにつくられているのかも知ってもらいたいと、工場見学を行っています。製造現場に入り、油揚げや豆腐ができていく様子を間近で見ながら、古家さんから工程の説明を聞くことができます。揚げたての厚揚げや温かい豆腐を試食できることもありとても人気の企画です。

そして、豆愛が目指しているのは、伊予市や愛媛県内だけにとどまりません。現在はまだ取り扱いのない地域からも、「近くの店舗で買えるようになりませんか」という声が届いているといいます。まずは県内のより多くの地域へ、そしてその先は県外や全国へ。豆愛の豆腐を届けられる場所を、少しずつ広げていきたいと考えています。

※工場見学は完全予約制で、季節や製造状況、人員体制によって対応できない場合があります。見学を希望する場合は、事前に豆愛へ直接お問い合わせください。

PROFILE

株式会社 豆愛
住所 愛媛県伊予市下吾川1862-1
営業時間 11:00~17:00
定休日 火曜・水曜
お問い合わせ tel.089-982-0422 fax.089-982-0882

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